子どもが武器を描くと、暴力的なのではないかと心配になることがあります。

子どもが武器を描くと、暴力的なのではないかと心配になることがあります。

けれども、武器は子どもにとって、単なる「攻撃の道具」とは限りません。

発達の視点から見ると、武器への関心は、自分の力を広げたい、強くなりたい、守れる存在になりたいという気持ちの表れとして理解できることがあります。

これは、自動車や飛行機、ロボット、パワードスーツのようなものに惹かれる感覚とも少し似ています。つまり、今の自分の身体のままでは届かない力や速さや強さを、道具によって拡張したいという願いです。

心理学では、人はときに道具や持ち物を自分の延長のように感じることがある、と考えられています。武器もその一つとして、

「こわいものに立ち向かえる自分」

「誰かを守れる自分」

「強くて頼もしい自分」

を思い描くための象徴になっている場合があります。 

また、子どもの遊びや描画は、現実の行動そのものではなく、気持ちや願いを安全に試すための場でもあります。子どもは遊びの中で、強さ、勇気、勝敗、正義、恐さとの向き合い方を、自分なりに整理していることがあります。子どもの遊びや道具への関わりは、将来の技能や世界理解につながる実践の場でもあると考えられています。 

ですから、武器を描くことだけで、その子を問題視する必要はありません。

大切なのは、何を壊したいのかではなく、その武器で何をしたいのかを見ることです。

たとえば、

  • 敵をやっつけたいのか

  • 誰かを守りたいのか

  • 強い主人公になりたいのか

  • こわさを乗り越えたいのか

そこに表れている物語を聞いていくと、子どもの内側にある願いや不安が見えてきます。

武器は、暴力の象徴である前に、子どもにとっては「自分の力を広げてくれるもの」として魅力を持つことがあります。

だからこそ、大人は武器そのものを怖がるより、その子がその先にどんな自分を夢見ているのかを見てあげることが大切です。