「学校に行きたくない…」も自己表現。5月のこころに、アートという逃げ場を。

ゴールデンウィークが終わったあと。
毎年この時期になると、

「朝になるとお腹が痛くなる」
「学校へ行こうとすると涙が出る」
「なんとなく元気がない」

そんな子どもたちの姿が増えてきます。

新学期からがんばってきたこころが、
5月になって少し疲れてしまうのです。

でも私は、
「学校に行きたくない」という気持ちを、
無理に否定しなくてもいいと思っています。

それは“怠け”ではなく、
こころが出している大切なサインかもしれないからです。

子どもたちは、大人が思う以上に、
毎日たくさんのことに向き合っています。

新しい友達。
新しい先生。
集団生活。
空気を読むこと。
失敗しないように気を張ること。
自分の意見を言うこと。
人と違わないようにすること。

本当は緊張している。
本当は自信がない。

でも、それを一生懸命がまんしている子もいます。

家族には出せる子もいる。
でも時には、家族にも言えないほど、こころの奥にしまい込んでしまう子もいます。

そんな時、子どもたちは画用紙に向かいます。

ぐるぐる描いた線。
強く塗り込めた色。
意味のわからない落書き。

でもその中には、
言葉にならない気持ちや、こころの叫びが込められていることがあります。

「わかってほしい」
「苦しい」
「でもがんばってる」

子どもたちは、絵で話しているのです。

そして、その声にならない声を受け止めるのが、私たちの役目です。

私たち「どこでもアート」には、
学校とは少し違う時間があります。

正解を求められない時間。
比べられない時間。
評価されない時間。

絵の具をぐちゃぐちゃに混ぜてもいい。
粘土をずっと触っているだけでもいい。
話したくなければ話さなくてもいい。

まずは、安心すること。

それが、子どものこころにとって、とても大切なのです。

アートには、不思議な力があります。

言葉にできない気持ちを、
色や形が代わりに外へ出してくれるのです。

だから子どもたちは、
描いたあと、作ったあと、
少しだけ呼吸が深くなります。

そして、

「なんか楽しかった」

その小さな感覚が、
次の一歩のエネルギーになっていきます。

私たちは、
「学校へ戻すため」だけにアートをしているわけではありません。

まずはその子が、

「ここにいていいんだ」

と思えることを大切にしています。

安心できる場所があるからこそ、
人はまた外の世界へ向かう力を取り戻していけるのだと思います。

保護者の皆さまへ。

今は、先のことが不安でいっぱいかもしれません。

でも、焦らなくて大丈夫です。

子どもは、安心できる場所の中で、
少しずつ、自分のタイミングで動き始めます。

5月のこころが揺れるこの季節。
どうぞ、いつもの「どこでもアート」の時間を、安心して続けてください。

うまく描けなくても大丈夫。
元気じゃなくても大丈夫。

「ありのままの君で大丈夫」

そんな時間を、私たちはこれからも大切にしていきます。