【幼児・小学生】食紅染め(しょくべにぞめ)
食紅で布を染める実験をしてみましょう♪
教室でのレッスン制作向けのご紹介ですが、おうちでもできます。
おうちで行う場合は、食紅を溶く際にお湯をご利用ください。
○食紅で布が優しい色に染まる感動を体感しましょう。
○小学生以上のみなさんは、色同士を混ぜて自分だけの色で染めてみましょう。
★動画 13分36秒
★動画+制作時間目安 60~70分(かわかす時間は入れていません)
使うもの=お家で準備していただくもの(オンラインの場合)
お家にあるもので染色をしてみたい方はぶどうジュースなどでも染められます!
詳しくはこちら↓
https://www.docodemo-art.com/member/curriculum/145258/
食紅染めをお家で実験をしたい方は、以下の準備をお願いいたします。
・布(綿がオススメ・厚すぎない生成りの生地などがオススメです!:10㎝×10㎝に切っておきます)
・食紅
・透明ビニール袋(この中に布と食紅を入れます)
・お酢(色止め用に使います)
・紙コップや深めの紙皿など(食紅を溶かす際に使います)
・輪ゴム
・ビー玉やおはじきなど(あればで構いません)
始める前のじゅんび
○エプロンはつけたかな?
ない場合はよごれてもよいふくをきよう
○つくえの上やテーブルの上にシートをしいておこう
動画:食紅染め
せいさくのしかたピックアップ
その1
染(そ)める前に水であらった布(ぬの)を用意しよう
その2
そのままでもいいけれど、もようをつける場合はわゴムを使うよ
できるだけきつ~くまくのがポイント!
その3
次に、食紅液(しょくべにえき)で染めていくよ
1色でもいいし、色をまぜてオリジナルカラーをつくってもいいね!
食紅液はビニールぶくろにちょこっとだけ(1つの布に対して10ミリリットルくらい)入れてね
ふくろの口は、かるくしばっておこう
(また開けるのできつくしばらないようにしてね)
※※注意!!※※
動画ではペットボトルの蓋を開けて袋に直接染料を入れていますが、レッスンでは染料が入りすぎないようにペットボトルの蓋に画鋲で穴を開けてシャワーのように出しましょう。
その4
10分くらいたったら、食紅液を流すよ
かるくしぼったら、おすとお水をまぜたもの(す水)をちょこっとだけ(1つの布に対して10ミリリットルくらい)入れるよ
その5
ビニールぶくろの口を かるくしばったら、3つともビニールぶくろに入れて持って帰ろう!
つづきはおうちで♪
その6
おうちに帰ったらす水を流すので、どこでやっていいかはおうちの人にきいてからやってね!
その7
ふくろの口をゆっくり開けて、中にお水を入れて流すのを何回かくり返してみてね
このとき布をやさしくもんであげるといいよ
その8
色がうすくなってきたら取り出してすすいでね
さいごにぎゅっとしぼろう
その9
ティシュでおさえたあと、わゴムを外していくよ
ハサミを使う場合は布を切らないように気をつけよう
その10
広げて色ともようを楽しんでね♪
ほつれている部分は糸をとってあげると気にならなくなるよ
手でとれない場合はむりにひっぱらないで、ハサミで切ってね
その11
アイロンがけをしてもいいし、しなくても味があるね~
※アイロンがけはおうちの人にきいてからやってね
保護者様へ
今回は、食紅という食べ物を染める身近な素材で「染色」を実験・体験します。
一般的な染色方法には、植物から抽出する天然染料や合成染料、色どめ剤に金属や灰などを使う場合もあります。
布の素材や染料、色どめの技法などそのやり方は多岐に渡り、深めれば深めるほど魅力的な分野です。
今回は、まずその深い深い染色の入り口として、
・身近にある物で布を染めてみる
・絞りを用いて模様を楽しんでみる
の2つにポイントを絞り、「染色」に興味を持ってもらえたらと思います。
今回は実験ですので、やわらかい色の美しさや偶然できる絞りの模様を楽しんでいただければと思います。
使用する実験材料の食紅は、目的が食用の素材ですので色落ちがしやすいのが特徴でもあります。
色どめはしておりますが、アルカリ性の洗剤や洗濯などにはとても弱い染料です。
頻繁に洗濯をする用途には向きませんので、飾ったりコースターなどで使用していただけたらと思います。
また、日光で色落ちをする可能性もありますが、その変化もお子さまと一緒に観察し楽しんでいただけたら幸いです。
◇◆◇染色についてのお話◆◇◆
染色の歴史はとても古く、日本では縄文時代には始まっていたと言われています。
最初の「染め」は、植物や花、土などをそのまま摺り(すり)付けて色を付ける染色方法だったようですが、
植物を煮出した染液に浸して色をつける「浸し(ひたし)染め」の方が染込むためよく染まるので、徐々にそれが主流になっていきました。
奈良時代に入ると、板や糸などを使用して染料をしみ込まないようにして布に模様をつける技術が海外からもたらされ、本格的な染めが始まりました。
現在では、蝋や糊を使って防染する技法、絞って防染する技法などにより、布に細かな模様を描く伝統的な染めものが多く伝承されています。
さて、布を染めることと紙に色をつけて塗ることは、何が違うのでしょうか?
まず、塗ることは、「紙の上に絵の具(顔料)を乗せること」です。
対して染めることは、「布の繊維に色素(染料)が吸収・結合(手を繋ぐようにしっかりとくっつく)すること」です。
しっかり結合させることで、洗っても色が落ちない布が出来上がります。
【しっかり結合する=磁石のように布と色素の粒(分子)の(+)と(−)が引き合いがっちりくっつく】ことです。
(分子)という言葉が出てきました・・!
化学のお勉強のようですね。難しくなってきましたでしょうか(^^)
実は、身の回りにある布は、(+)や(−)の磁力を持っています。
ですが、布の種類によって(分子)の持っている磁力が違います。
・「絹(きぬ:蚕の糸から作られる布)」や「羊毛(ようもう:ひつじの毛)」は(+)も(−)も両方持っています。
・綿(綿花という植物から作られる布)は(−)の磁力。
・アクリル(合成繊維)は(+)の磁力。
そうなると、布と色の(分子)が手を繋ぐには逆の磁力が必要になります。
では、(−)同士の分子の手を繋がせる(染める)にはどうしたら良いでしょう?
そこで必要になってくるのは、ミョウバン(アルミ)や鉄、銅などの金属を含む水に溶ける金属分子【媒染剤(ばいせんざいと言います)】の力です。
【媒染剤】の持つ金属分子が布の繊維と色素の間で手を繋いで結合してくれます!
そして、【媒染剤】は、色素の色を強く、鮮やかにしてくれる役目もします。
分子くん同士が一緒にいると、より強く明るく光るようなイメージです。
金属を含む分子は、土や植物の灰にも含まれます。
昔は灰汁で媒染をしたり、泥染めという技法が残っているのも染色の長い歴史の中で生み出された先人の知恵なのでしょう。
現代では、天然染料(草木や動物から抽出した染料など)より合成染料(人工的に作られた化学染料)の方が発色が鮮やかで手間がかからず安価に仕上がるため、多く使われています。
ですが、身の回りに咲いている植物や果物の皮などからの優しい色の恵みを受け取る経験も、命のエネルギーや不思議を体感する素晴らしいきっかけとなるのではないでしょうか。
ぜひ、ご家族で様々な染色実験をして、染色の奥深さを学ぶきっかけにしていただけたら嬉しいです。
こんなときはどうしたらいいの?
**********
あまり染まらない・・
**********
染める布などの素材にポリエステルやナイロンが入っていると染まりにくくなります。
それも知る実験!
どんな素材が染まりやすいか、染まりにくいか、いろんな素材で試してみてくださいね。
**********
染色液が床などに溢れてしまった
**********
特に木製の床にこぼれた場合は、時間がたたないうちにすぐ拭いてください。
食器用洗剤で落ちやすくなる場合もありますので試してください。
まず、染色を始める前にこぼれてもよいようにしっかりと養生しておくことが重要です。
**********
模様がつかなかった
**********
布を開くまでどんな染まり方をするか分からないのが染色の醍醐味です。
布の素材によっても、模様があまりつかない仕上がりになることもあるでしょう。
もう一度、先ほどよりも絞りを強くして、上から別の色で二度染めすると模様がつくかもしれません。
その際にはついた模様の隙間から最初に染めた色が見えて面白い仕上がりになります。