春なので☘️アートを習う上で大切な言葉の紹介

まず始めに紹介したいのが、この言葉。

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このほんをよむひとへ

 

ずがこうさくの じかんは、

じょうずに えを かいたり

じょうずに ものを つくったり することが、

めあてでは ありません。

 

きみの めで みた ことや、

きみの あたまで かんがえた ことを、

きみの てで

かいたり、つくったり しなさい。

こころを こめて 

つくって いく あいだに

しぜんが どんなに すばらしいか、

どんな ひとに なるのが

たいせつか、

と いう ことが

わかってくるでしょう。

これがめあてです。

(「このほんをよむひとへ」『子どもの美術1』現代美術社初版1980年)

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これは、『おおきなかぶ』という絵本の挿絵でも有名な彫刻家の佐藤忠良さんが
40年程前にまとめた、小学校1年生用の図工の教科書に書かれている文章です。

『おおきなかぶ』は国語の教科書にも載っていますので、みんなが読んだことがあるでしょう!

これだけ力強く、かつ明瞭に、アート学ぶ意味を語った言葉が他にあるでしょうか😊

 


アートを学ぶことで、絵が上手くなったり工作が得意になったりするかもしれません。

でもそれはおまけのようなものです。

アートを習うことで育つ、本当に大事な力は実は目には見えません。(それを“EQ/非認知能力”といいます。IQでは測れない力。幸せな人生を生きていくための力です。)


例えば‥何らかの作品に出会ったり芸術作品に触れた時に、

「あ、何だかここが〇〇に見える」

「これはどうなってるんだろう?」という、

自分なりの視点や、興味・思考、感じる心を育てています。

感じ方は人それぞれ、これは人と違っていいものです。

その一人一人違う感じる心を大切に育てる時間がアートだと思っています。

 


美術教室のレッスンでは、必ず一人ひとり作品のいいところを伝えています。

「わたしの作品はこんないいところがあるんだ!」と知ってもらいたいと同時に、

他のお友達のいい部分も知ることで、
「あの子の作品も、ああいう部分がいいんだ〜」と、
自然といいところを見つけていくマインドセットになります。 

お友達の作品のいいところを知ることで、自分の作品の幅も、心の幅も広がります。

物事を色んな視点から見られるようになります。

人と違ってOK。

これがアートのレッスンで育む大切な力だと思っています。

 


さてさて、新学期のレッスンも始まりました。

春なので、私が昔々に感銘を受けたアートの言葉のご紹介でした。


『おおきなかぶ』絵本にどこかで出会ったら、思い出してみてください。

ちなみにこの写真のおおきなかぶの絵本は私の実家にあったものを、自分が子どもを産んでから持ってきたものです。
なので、とっても古いです〜(笑)💦